【ばけばけ聖地巡礼】八雲とセツの物語が生まれた松江ってどんなところ?

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朝ドラ『ばけばけ』のレフカダ・ヘブンのモデル、文豪・小泉八雲の人生に注目が集まっていますね!

八雲は隻眼のコンプレックスを抱え、こだわりの強い「メンドクサイ男」という、意外な素顔をもっていました。

日本の英語教師として赴任した松江こそ、『怪談』という傑作に大きく影響を与えた場所。

今回は、八雲とセツの物語を体感できる、聖地巡礼コースをご紹介しますね(*’▽’)!

運命の地・松江で、二人が見た景色を一緒にたどってみませんか?

メンドクサイ八雲とセツの愛を感じる聖地巡礼

庭園を眺める八雲とセツ

文豪・小泉八雲は、前回の記事でご紹介した通り、「メンドクサイ」一面をもった人物でした。

隻眼のコンプレックスを抱き、人間関係でも度々衝突を起こす。

とても繊細、かつ激情家だった八雲。

松江に来るまで、その人生は孤独と苦悩の連続だったと言ってもいいでしょう。

しかし、松江で妻となる小泉セツとの運命的な出会いによって、八雲の心に変化が訪れます。

セツは、八雲の一見わがままに見える部分を否定せず、すべてを受け入れました。

この聖地巡礼は、観光地を巡るだけではありません。

「メンドクサイ男」だった八雲の心は、セツの温かい愛と、静かで美しい松江の景色によって救われたんです。

そんな松江って、どんな場所なのか、気になりませんか(*’▽’)?

1年3ヶ月? 松江を「心の故郷」とした八雲

八雲が松江で暮らしたのは、1890年8月から1891年11月までの、わずか約1年3ヶ月という短い期間でした。

寒いのが苦手だった八雲は、温暖な土地へ移ることを希望し、松江を離れることになります。

ただ、この松江での日々は、彼の人生と作家キャリアにとって、何よりも重要な時間だったのです。

松江は、昔ながらの日本の風景が残る場所。

松江城の佇まい、お堀を巡る舟、人々の暮らしに根付いた神話や怪談、そして静かに響く寺の鐘の音――。

八雲にとって、異国情緒あふれるこの街は、後の著作『知られぬ日本の面影』や『怪談』に、大きく影響を与えました。

そして何より、セツと出会い結婚したことが、運命を大きく変えます。

孤独だった八雲の心を温め、日本の文化と生活を深く教えてくれた、セツの深い愛。

短い日々だったからこそ、松江は八雲の心に深く刻まれ、生涯忘れることのない「心の故郷」となったのですね。

聖地巡礼・松江はどこから巡る?移動手段と所要時間

松江城のイラスト

では、いよいよ八雲とセツの愛の舞台、松江をご紹介しますね。

実は八雲ゆかりの地は、松江城を中心に徒歩圏内に集中しているので、とても効率よく巡ることができるんですよ。

松江での移動手段と、聖地巡礼の所要時間を確認してみましょう(*’▽’)!

徒歩とバスが基本の移動手段

徒歩

今回ご紹介する主なスポット(旧居、記念館、松江城など)は、美しい城下町の風景を楽しみながら徒歩で移動できます。

八雲も日々、城下を散策するのが日課だったとか。

バス

松江城周辺や、堀川遊覧船乗場などの観光地を巡るなら、観光ループバス「ぐるっと松江レイクラインバス」が便利です。

松江の観光に便利な周遊バスの乗車券も、ご紹介しておきますね!

乗車券の種類料金(大人/小人)ポイント
1日乗車券
・レイクライン
520円/260円1日限り
乗り放題!
松江城周辺の
散策に最適
共通2日乗車券
・市営バス全線
・レイクライン
1,050円/530円2日間
乗り放題!
松江城周辺
宍道湖畔など

「ちょっと疲れたな」「遠い場所も効率よく回りたいな」という時に、ぜひご活用くださいね(*’▽’)!

どちらの乗車券も、一部の観光施設で割引特典が受けられますよ。

駐車場はありますが、松江城周辺は混み合うため、公共交通機関の利用も検討してくださいね。

聖地巡礼所要時間の目安

集中巡礼コース

主要5スポットを巡るコースなら、じっくり見学しても半日(約4~5時間)あれば、十分楽しめちゃいます。

ゆっくり巡礼コース

松江城天守閣の見学や、お堀めぐり、八雲ゆかりのグルメなど、丸一日かけて楽しんでも良いですよね(*’▽’)!

まずは、八雲が松江で最初に降り立った場所から、巡り始めるのはいかがでしょうか。

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二人の愛の舞台を歩く!松江のゆかりの地コース

松江大橋のイラスト

八雲とセツの物語が身近に感じられる、モデルコースをご紹介しましょう。

こちらは、半日(約4時間)ほどで、松江城周辺の主要なスポットを効率的に楽しめますよ。

八雲の人生の道のりを辿る流れにもなっているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【松江のゆかりの地コース】
  • Step1
    松江大橋・富田旅館跡:30分(見学込み)

    八雲が松江に降り立ち、初めて日本の風景に心打たれた場所。
    ここから旅を始めましょう!

  • 徒歩:約15分

    大橋川沿いを北上し、城下町へ。

  • Step2
    松江城(城山稲荷神社):約60分

    孤独な八雲を癒した場所
    八雲の日課だった散歩コースのメイン。
    天守閣からの眺望と、八雲お気に入りの城山稲荷神社の狐像は必見!

  • 徒歩:約10分

    城の北側、お堀沿いの「塩見縄手」へ。

  • Step3
    小泉八雲旧居:40分

    セツとの新婚生活
    八雲が愛した「日本の庭」が当時のまま残る武家屋敷。

  • Step4
    小泉八雲記念館:40分

    文豪のこだわりを知る
    旧居の隣
    八雲の直筆原稿や特注させた机など、メンドクサイほどの才能に触れて。

  • 徒歩約20〜30分

    北側の静かな城下町を散策しつつ…。

  • Step5
    月照寺(げっしょうじ):60分

    怪談のルーツ
    八雲が「一番好き」と語り、随筆にも登場したお寺。
    境内の大亀の石碑など、創作意欲を刺激したミステリアスな空気を感じて。

徒歩で回るコースなので、歩きやすい靴で巡礼してくださいね(*’▽’)!

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松江で聖地めぐり!八雲の孤独を支えたセツの愛

八雲ゆかりのスポットを、二人の物語とともにご紹介します。

松江の静かで古風な情景は、八雲の心をどのように動かし、数々の名作が生まれるきっかけとなったのでしょうか。

一つ一つの場所に宿る、二人の物語を感じてみてくださいね。

小泉八雲旧居:こだわりが生んだ傑作「愛の空間」

松江城の北側、静かな武家屋敷が連なる「塩見縄手」の一角にあるのが、小泉八雲旧居です。

ここは、八雲が松江時代に、セツと数か月間の新婚生活を送った大切な場所。

当時の八雲は、庭のある静かな武家屋敷に住むことを強く望んでいました。

そのメンドクサイほどのこだわりを満たしてくれたのが、この旧居です。

八雲は特に、三方を囲むように配置された、美しい日本庭園を心から愛したそう。

文鳥
文鳥

帰宅するとすぐ和服に
着替えてたとか

まるる
まるる

お庭を眺めるのが
最高の癒しだった

この庭にいる虫や草木を愛し、その魅力を著作『知られぬ日本の面影』の中で「日本の庭」として紹介しました。

この旧居こそ、セツの愛と八雲の感性が交わった「愛の空間」と言えるかもしれませんね。

今も残る当時の面影を辿れば、孤独な文豪の心が初めて満たされた静かな喜びを、きっと感じられるはずです。

小泉八雲記念館:「メンドクサイ」こだわりこそ原点

小泉八雲旧居のすぐ隣にあるのは、小泉八雲記念館。

ここでは、八雲の生涯や文学に関する貴重な資料が、数多く展示されています。

まるる
まるる

旧居で感じた物語がもっと身近に!

愛用品を見ると、八雲がいかに繊細で、妥協を許さない激情家だったかが、よく分かります。

たとえば、視力の悪い八雲がこだわった、特注の机と椅子。

これは執筆に誰よりも集中し、環境を完璧に整えようとした、こだわりのひとつですよね。

また、自筆の原稿を見ると、「オールド・セミコロン(古風な句読点)」と呼ばれるほど、一文字一句に心を込めていたことが伝わってきます。

この強すぎるこだわりこそが、八雲を文豪へと導いた才能の原点かもしれません。

小泉八雲記念館は、セツがいなければ世に出なかった、八雲の繊細な内面を教えてくれるはずです。

文学への熱い情熱を、間近で感じられる特別な場所でもあるんですね。

松江城と城山稲荷神社:孤独な八雲を癒した散歩道

松江城は、八雲の生活の中心であり、日課だった散歩コースのメインとなる場所でした。

八雲は、隻眼のコンプレックスや、異国での孤独感から、人付き合いを避け、内向的になりがちな時期もあったとか。

そんな心を癒し、創作のエネルギーとなったのが、松江城周辺の静かな自然と、人々の信仰です。

とくに八雲のお気に入りだったのが、城内にある城山稲荷神社。

度々この神社を訪れ、数千体もの狐の石像をしみじみと眺めていたんですって。

日本の神秘的な世界に強く惹かれていた八雲にとって、特別な場所だったのかもしれませんね。

「まるで大きな怪物を寄せ集めて作った龍のようだ」と表現したのは、松江城。

単なる防衛の砦としてではなく、八雲は怪談や伝説が息づく場所として捉えていたのです。

セツと出会い、日本の怪談話を聞くようになった八雲にとって、松江城の散歩はインスピレーションの源となりました。

それは、心の平穏を取り戻す、とても大切な時間だったのでしょう。

月照寺:『怪談』のヒント?八雲が愛した寺

松江城の西側に位置する月照寺は、八雲が松江で「一番好きです」と語ったほど愛したお寺です。

松江藩主・松平家の菩提寺であるこの場所は、厳かな静けさに包まれ、八雲の心に深く響きました。

月照寺が『怪談』に影響を与えた理由は、境内にあります。

それは、六代藩主の廟門内(びょうもんない)にある、巨大な大亀の石碑(寿蔵碑)。

まるる
まるる

『ばけばけ』のオープニングにも
登場するよ

この大亀が夜ごと寺を抜け出し、町へ出て暴れ回ったという怪談話を、随筆の中で紹介しました。

寺の鐘の音、古い石畳、そして人々の間に息づく神秘的な伝説ーー

文鳥
文鳥

強いインスピレーションを
感じたんだね

月照寺は、八雲の日本の信仰への関心を深め、後に世界に知られる傑作『怪談』が生まれる、重要な舞台となったのです。

松江の静けさと、日本文化への憧れが交錯するこの場所。

八雲が感じた「この世とあの世の境界」を、ぜひ体験してみてくださいね。

松江大橋:運命を変えた情景「神々の国の首都」

松江大橋は、八雲が初めて松江の地に降り立った場所です。

1890年8月、大橋川沿いにあった富田旅館に、約3ヶ月間滞在しました。

現在、『松江しんじ湖温泉 大橋館』の入口には、富田旅館跡の碑が残されています。

文鳥
文鳥

松江大橋周辺の景色に
とても感動したんだって!

町の空に響く寺の鐘の音、朝日に輝く大橋川の水面、そして橋を行き交う人々の下駄の音…。

その情景は、八雲の著書『神々の国の首都』の中で、綴られることとなりました。

また、松江大橋には、とても哀しい物語が伝えられています。

慶長12年(1607年)頃、松江城を築いた堀尾吉晴が橋を架ける際、工事が難航してなかなか完成しなかった。
そこでたまたま通りかかった足軽の源助が、人柱として川底に生き埋めにされた。

源助が人柱になる朝。

妻がもう一杯お茶を勧めたのに対し、急いでいた源助は一杯だけ飲んで、家を出てしまいました。

文鳥
文鳥

もう一杯飲んでいれば…

その後、大橋は無事に完成し、中央の橋脚は源助を供養するため「源助柱」と呼ばれました。

松江では「源助のように災いに遭わないように」という願いを込めて、今でもお茶を二服(二杯)飲むという風習が生まれたそうですよ。

朝ドラ『ばけばけ』では、トキが源助柱に手を合わせるシーンも登場しましたね。

源助を供養するための石碑は、昭和14年に建てられ、現在でも大切にされています。

ぜひ八雲が見た、松江大橋からの情景を眺めてみてくださいね。

八重垣神社:セツも訪れた鏡の池の縁占い

セツの人生を語る上で欠かせないのは、縁結びのパワースポット『八重垣神社』

八雲との結婚が決まる前、セツは友人とこの神社を訪れ、「鏡の池」で縁占いをしたとか。

これは、硬貨を乗せた和紙を池に浮かべ、沈むまでの速さや沈む場所で、縁の良し悪しを占うというもの。

セツの和紙は、遠く対岸で沈んだんですって。

まるる
まるる

遠くの国の人と結婚したね!

文鳥
文鳥

占い的中?

この神社は、スサノオノミコトとクシナダヒメの夫婦神を祀る縁結びの神様として、古くから信仰されています。

八雲とセツの二人の物語を想像しながら、運命の縁を占ってみるのも良いですよね。

朝ドラ『ばけばけ』でも、登場しました(*’▽’)!

八重垣神社へのアクセス情報はこちら(*’▽’)↓

項目詳細
主なアクセス松江駅
松江しんじ湖温泉駅
「一畑バス」乗車
所要時間約25分
※注意点「レイクライン乗車券」
使用不可

八雲とセツの物語の後は松江グルメ!

松江は、八雲の文学とセツとの愛が生まれた場所であると同時に、美味しい文化が息づく町でもあります。

巡礼の締めくくりは、グルメでご縁と幸せをチャージしましょう(*’▽’)!

実は八雲、来日当初は日本食の多くが苦手でした。

しかし、セツの支えもあって、故郷の味や好物を楽しめていたそう。

食へのこだわりもまた、彼の個性を表現する重要なポイントですよね。

八雲が愛した洋食とスイーツ

ビフテキ(ステーキ)

八雲の大好物といえば、ビフテキ!

毎晩欠かさず食べていたという記録もあり、セツは家族とは別メニューでビフテキを用意していたんですって。

文鳥
文鳥

メンドクサ…

松江市内には、島根和牛など地元の食材を使った、美味しいステーキを提供するお店がたくさんありますよ。

プラムプディング

イギリスの伝統的な焼き菓子で、八雲がこよなく愛し、わざわざ取り寄せていたというプラムプティング。

朝ドラ『ばけばけ』の放送をきっかけに、松江市内の老舗和菓子店やホテルなどでは、八雲ゆかりの「プラムプディング」が再現され、提供されています。

洋酒が効いた独特の風味を、ぜひ味わってみましょう。

ほっこり和む松江の定番グルメ

出雲そば

松江・出雲地方の定番グルメ、出雲そば。

塩見縄手の周辺には、風味豊かな出雲そばを提供する名店が軒を連ねています。

とくに、割子(わりご)と呼ばれる丸い器を重ねて出す「割子そば」は、見た目も可愛い!

まるる
まるる

そばに直接つゆをかけるんだって

八雲が愛した風景を眺めながら、松江名物をいただくのも粋な楽しみ方ですよね。

縁結びの味「ぜんざい」

出雲は「ぜんざい発祥の地」と言われています。

縁結びの神社をお参りした後は、紅白のお餅が入った縁起の良いぜんざいをいただくのはいかが(*’▽’)?

甘くて優しいぜんざいが、新しいご縁を後押ししてくれるかもしれません。

宍道湖の恵み「しじみ汁」

しじみが有名な、宍道湖(しんじこ)。

松江の宿やお店では、風味豊かで栄養たっぷりのしじみ汁を味わえます。

実は、このしじみ汁。

朝ドラ『ばけばけ』の中でも、松野家の食卓に欠かせない松江のソウルフードとして、たびたび登場しています。

地元の旅館に泊まるなら、朝食にしじみ汁が出ることが多いので要チェック!

旅の疲れを癒し、体の中から松江の恵みをしみじみと感じられるかも(*^^*)

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まとめ

八雲のように繊細な心を持つ人は、もしかしたら孤独を感じやすいのかもしれません。

でも彼の人生は、松江とセツとの出会いによって救われました。

わたしたちも、この聖地巡礼の旅を通じて、きっと前向きな気持ちになれるはずです。

八雲が「心の故郷」と呼んだ松江。

今も静かで美しい風景をたどり、二人の物語に心を寄せてみませんか?

そして!

聖地巡礼のラストは、八雲が愛したスイーツや松江グルメで、お腹も満たしちゃいましょう(*’▽’)!

メンドクサイ八雲とセツの愛の物語が、少しでも身近に感じられたらうれしいです。

≫≫八雲ゆかりの宿泊プランがあるお宿
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