朝ドラ「あんぱん」の時代にヤムおじさんのあんパンは存在した?日本で誕生したのはいつ?

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NHKの連続テレビ小説「あんぱん」で、あんパンを作るヤムおじさん。

観ていると美味しそうで、パン屋さんに走りたくなっちゃいますよね!

でも、このドラマの時代に、あんパンって本当にあったのでしょうか?

実は、あんパンは明治初期に誕生し、意外な歴史を辿ってきた日本の国民的パンなのです。

今回は、朝ドラと合わせて、あんパン誕生の秘密から、正義の味方・アンパンマンへと繋がるまでをご紹介します(*’▽’)!

朝ドラ「あんぱん」ヤムおじさんが作るあんパンはいつ誕生した?

NHKの連続テレビ小説「あんぱん」に登場する、おもしろパン職人・ヤムおじさん。

文鳥
文鳥

ヤムおんちゃんとも
呼ばれていたね!

ヤムおじさんこと、屋村草吉(やむらそうきち)を、俳優の阿部サダヲさんが演じています。

お金にうるさく口は悪いけど、パン作りの腕は一流。

ふらりと高知にやってきた、謎の男という設定です。

主人公である、朝田のぶと柳井嵩の人生に、大きな影響を与える人物として登場しました。

まるる
まるる

モデルは多分あの人…

ヤムおじさんが、ふっくらと焼き上げるあんパンは、観ている人の食欲をそそりますよね。

ところで、あんパンって日本でいつどのように生まれ、人々に愛されていたのでしょうか?

実は、あんパンは明治7年(1874年)に誕生しました。

朝ドラ「あんぱん」の時代設定は、昭和2年からとなっています。

ですので、物語の舞台となる時代には、すでにあんパンは日本の人々に親しまれていたというわけですね。

あんパンは日本人のために作られた

あんパン

明治維新後、日本は西洋文化を積極的に取り入れ、食生活にも大きな変化が訪れました。

パンもそのひとつ。

しかし当時のパンは、日本人の味覚や食習慣には合わなかったようです。

お米の国にパンが来た!明治の食卓革命の始まり

鎖国を終え、海外との交流を始めた日本は、西洋の進んだ技術や文化とともに、新しい食文化にも強い興味を持ちました。

国が産業を育てようとする政策の中で、パンの作り方が外国から伝えられ、各地にパン屋さんが誕生。

しかし、最初の頃に作られたパンは、普段お米を食べている日本人には、あまり美味しいと感じられませんでした。

  • 硬くてパサパサした食感
  • 独特の酸味や風味
  • 米食中心の日本人には食べ慣れない

こうした状況の中「日本人のためのパンを作りたい」という、強い思いを持った人物が現れます。

それが、東京に店を構えた木村屋總本店の創業者、木村安兵衛と、その次男である英三郎でした。

木村安兵衛が挑戦したあんパン

木村安兵衛は、西洋パンの製法にとらわれず、日本人の味覚に合う新しいパンの開発に情熱を注ぎました。

米を主食としてきた日本人が
親しみやすいパンとは何か?

何度も試作を重ねた安兵衛。

単に美味しいパンを作るだけでなく、日本の食文化に西洋のパンを取り込むという、革新的なアイデアを生み出します。

日本の発酵技術をあんパンに

イーストが、まだ一般的でなかった頃のパンは、ホップを酵母として作られていました。

しかし、その食感は硬く、日本人の口には合わなかったとか。

そこで木村安兵衛の次男・英三郎は、日本人の味覚に合うパンを研究するうちに、酒造りの技術から『酒種酵母』の存在に気付きます。

明治7年(1874年)、この酒種酵母を使った生地に、あんこを包んで焼いた「あんパン」が誕生しました。

あまりの美味しさに、あっという間に評判となったんですって。

文鳥
文鳥

酒まんじゅうからヒントを得たとか

米と麹を発酵させた酒種酵母を使ったことで、パンは他にはない香りを持ち、ふんわりとした食感に仕上がったのです。

  • ほのかな甘い酒種の香り
  • きめ細かく、しっとりとした食感
  • 日本人の味覚に合いやすい

木村屋総本店では、創業から百年以上経った今も、開発当時から変わらない酒種と製法を、大切に守り続けているそうですよ(*’▽’)

あんパンが特別なパンである理由

木村安兵衛による、日本人のためのパン作りへの情熱。

そして、酒種酵母との運命的な出会いを経て、日本独自のパン「あんパン」は誕生しました。

そんなあんぱんが、特別なパンとなったのには理由があります。

あんパンは天皇への献上で国民的に

あんパンの歴史を語る上で欠かせない出来事が、明治天皇への献上です。

明治8年(1875年)、明治天皇が花見をするために、水戸藩下屋敷(現在の向島)へおでかけになった時のことでした。

その花見の席に出す、お茶菓子を探していたのは、侍従の山岡鉄舟。

安兵衛は彼から、人々の間で評判のあんパンを、献上してみてはどうかと勧められたそうです。

そして4月4日。

奈良の吉野山から取り寄せた八重桜の塩漬けを埋め込み、季節感豊かに焼き上げたあんパンが、明治天皇に献上されました。

文鳥
文鳥

桜あんぱん

このあんパンは、皇后陛下がとても気に入り、両陛下から「今後も納めるように」というお言葉をいただいたそうです。

この献上によって、あんパンは日本の食文化を代表する存在として、認められたんですね。

まるる
まるる

「あんパン」が明治初期の
流行語にもなったとか

こうしてあんパンは、全国にその名が広まり、一気に多くの人々の間でパンが親しまれるようになりました。

文鳥
文鳥

4月4日はあんパンの日

武士からパン屋となった木村安兵衛

あんパンで一番大切な『あんこ』は、日本人にとって特別な食べ物ですよね。

昔から和菓子に使われ、甘さは控えめなのに、素材の風味や職人の技術が詰まっています。

あんこを食べると、日本の昔からの食文化や、武士の時代から伝わる心のようなものも感じませんか。

実は「あんパン」を生み出した木村安兵衛も、もとは常陸国河内郡田宮村(現在の茨城県牛久市)出身の武士でした。

しかし、江戸幕府が倒れ、明治維新によって職を失ってしまったとか。

そこで安兵衛は、江戸に出て新しい仕事を探す中で、パン屋を開業するという道を選んだのです。

文鳥
文鳥

レベル1からの異業種転職!

そして、西洋から来たパンと、日本の伝統的な食材のあんこを組み合わせた、あんパンを誕生させました。

まさにあんパンは、日本の近代化の中で生まれた、食のシンボル。

そして、このあんパンの誕生が、日本のパン食文化の始まりであり、後の国民的ヒーロー「アンパンマン」へと繋がる、大きな第一歩だったのです。

あんパンに込められた想いアンパンマン

朝ドラ「あんぱん」は、昭和初期という激動の時代が舞台です。

まるる
まるる

大きな戦争に入る前だね…

人生の苦難を乗り越え、正義のヒーロー「アンパンマン」を誕生させた、やなせたかしと妻・小松暢の物語が描かれています。

朝ドラ「あんぱん」ヤムおじさんは実在した?

朝ドラ「あんぱん」でひときわ目を引く、おもしろパン職人・ヤムおじさん。

物語の舞台は、日本の食文化も大きく変わった時代です。

パン職人のヤムおじさんは、実在した人物がモデルなのでしょうか。

残念ながら、やなせたかしの史実を調べても、ヤムおじさんの存在は確認できませんでした。

まるる
まるる

パン職人はドラマオリジナルの役?

ですが、朝ドラ「あんぱん」には、柳井崇や朝田のぶのように、実在の人物がモデルとなっているキャラクターもいるわけですよね。

実は「アンパンマン」のキャラクターを思わせる役名も、登場しているのです(*’▽’)

文鳥
文鳥

羽多子(はたこ)さんとか

まるる
まるる

バタコさん!?

「アンパンマン」に登場する、ジャムおじさん…。

名前もそうですが、ヤムおじさんの髪型は、ジャムおじさんにそっくりじゃないですか!

考えてみれば、ヤムおじさんもジャムおじさんも、傷ついた子どもに優しいという共通点があります。

ヤムおじさんは「アンパンマン」のジャムおじさんをイメージして作られた、架空の人物かもしれませんね。

ただ朝ドラ「あんぱん」は、まだ始まったばかり。

まるる
まるる

今後ヤムおじさんの過去が
描かれるかも?

ヤムおじさんがパン職人として修業したのは、木村安兵衛のパン屋だった…なんていう展開もあるかもしれませんね(*’▽’)

あんパンがヒーローの顔に? やなせたかしの正義とは

明治時代に生まれたあんパンは、時を超え、正義の味方「アンパンマン」のモチーフとなります。

なぜ、数ある食べ物の中で、やなせたかしは「あんパン」をヒーローの顔に選んだのでしょうか。

その理由の一つとして考えられるのは、あんパンが分け与えられる食べ物であること。

文鳥
文鳥

ぼくの顔をお食べ

アンパンマンは、お腹を空かした人や困っている人に、自分の顔である「あんパン」を分け与えます。

その行動は、自分を犠牲にしてでも人を助ける、まさにやなせたかしが思い描いた『正義』そのものなのかもしれません。

あんパンのふんわりとした性質も、優しさと強さにあふれたヒーローにふさわしいですよね。

飢餓の記憶から正義をアンパンマンに込めた

やなせたかし自身、戦中・戦後の食糧難の時代を経験し、食べ物に対する強い思い入れがあったそうです。

自分もまわりも、満足に食べられない日々。

その経験から「自分の顔を食べさせて人を助ける」という、アンパンマンの設定に繋がったのですね。

アンパンマンは、ただの強いヒーローではありません。

  • 食べ物を分け合うこと
  • 生きるために必要なものを分け合うこと

誰にとっても大切な正義を、子どもたちに優しく教えているのです。

明治時代に生まれた、特別なあんパン。

長い時間を超えて、みんなの心を結びつける正義のヒーローの顔となりました。

まとめ

朝ドラ「あんぱん」に登場するヤムおじさんは、現在のところ史実上の人物としては確認されていません。

しかし、彼が作るあんパンは、明治7年(1874年)に木村安兵衛によって生み出された、歴史あるパンです。

多くの人に愛され続けたあんパンは、やがてやなせたかしが生んだ正義の味方「アンパンマン」のモチーフに。

分け与えることで人を助けるという心は、あんパンが持つ優しいイメージと重なり、世代を超えて勇気と生きる喜びを届け続けています。

ドラマの今後の展開も、気になりますね(*^^*)!

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